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修理実例

2014.10.28 ハンダ付け

管楽器のパーツのほとんどは、ハンダ付けか銀ろう付けで溶接されています。
 
管楽器の中心となるパーツには銀ろう付けがされています。
銀ろうはかなりの高温(融点600度以上)で接着しているので、取れる事はほとんどありません。
しかしハンダ付けはとける温度が銀ろう付けに比べて低く(融点180度前後)、
また耐久性が銀ろうつけに比べて低いため、よく外れます。
 
ハンダが取れてしまうとどうなるのでしょう。
まず、パーツ同士が外れているので場合によっては演奏ができません。
 
今回はハンダがとれた際の修理をご紹介いたします。
こちらの写真はお預かりしたホルンの状態です。
抜き差し管を抜こうとしたらハンダが取れ、管が中に残ってしまったそうです。

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中から管を抜き、平行にスルスルと抜き差しできるように調整しつつ、ハンダ付けをしてお返しします。
こちらのホルンはハンダが取れただけでしたので、比較的早く修理は終了いたしましたが、
抜き差し管の内部が固着している場合は、中に残った管を抜くのに時間がかかる場合があります。
 
また、こちらの写真はトランペットの支柱のハンダが取れている修理です。
ハンダも取れていますが、【ビー】とノイズがなるといって持ってこられました。
振動したパーツ同士が共鳴しているのが原因の為、ハンダ付けをすればノイズは消えます。
このように振動を抑える役目も、ハンダはしてくれています。

ハンダ溶接外れ (4)
ハンダ付け終了の写真です。ノイズもならなくなりました。
パーツが写真のように完全に取れていなくても、取れかけている状態でもノイズが鳴る場合もありますので、
原因不明のノイズに悩んでいらっしゃる方は、一度楽器店に相談してみてください。

ハンダ終了 (8)

また、ハンダの量が多いと金属の振動が減り、響いていた楽器が修理後、あまり響かなくなったということもあります。
しかし逆にハンダの量を少なくすると取れやすくなりますので、奏者も悩みどころです。
 
ハンダ付けの修理は、部分によっては数十分で終わる場合もあります。
お気軽にご相談ください。
 

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